21日は全国的に最高気温が20度を超える都市が多く、初夏を思わせるような陽気となった。気温上昇とともに、花粉の飛散量も急増。マスクをしていても、せきやくしゃみが止まらなくなる花粉症の人にとっては、公共交通機関などで冷ややかな視線を浴びせられることも少なくない。

そこで、自身は花粉症であることを知らせ、肩身の狭い思いをしなくてもいい「花粉症バッチ」の人気が、急上昇している。妊娠中の女性が使用するマタニティーマークのイメージだ。

東急ハンズ渋谷店内のオリジナル工房コーナーにも、「花粉症です」とデザインされたバッジやストラップなどの制作サンプルが飾られている。同担当者は「コロナ禍で新たな悩みだと思います。これ自体は売り物ではないのですが、弊社の社員などには評判が良い。ご希望があれば、いろいろなアレンジで作ることができます」。インターネットの通信販売でもさまざまな商品が売られ、缶バッジやシールだけでなく、マスクに押印するハンコなども商品化されている。

花粉症に悩む20代女性は「ただでさえ鼻水やのどのイガイガでつらいのに、コロナの疑いもかけられてしまう世の中。ひと目で理解してもらえるグッズはありがたい」と話した。花粉症をアピールする時代…。なんとも悩ましい。【鎌田直秀】