19年1月、千葉県野田市で小学4年生栗原心愛（みあ）さん（当時10）が虐待死した事件で、傷害致死、暴行、強要などの罪に問われ、1審千葉地裁で懲役16年の判決を受けた父親栗原勇一郎被告（43）の控訴審の判決公判が4日、東京高裁で開かれ、近藤宏子裁判長は控訴を棄却した。

勇一郎被告は＜1＞心愛さんが「お父さんにぼう力を受けています。先生、どうにかできませんか」と助けを求めたアンケートは証拠能力がないのに証拠採用した＜2＞妻の証言は信用性に乏しい＜3＞同種事案に比べ懲役16年は著しく重いとして、法令違反、事実誤認、量刑不当を訴えたが、近藤裁判長は「原審の判断に誤りはない」として、いずれも退けた。

黒縁の眼鏡、マスク姿の勇一郎被告は約45分の判決言い渡し中、表情をうかがわせなかったが、廷吏に腰ひも、手錠をかけられると、傍聴席に向かって深く一礼した。勇一郎被告は、傷害ほう助の罪で懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年の判決が確定している妻（34）から離婚訴訟を起こされている。