東京・池袋の都道で19年に乗用車が暴走し、松永真菜さん(当時31)と長女莉子ちゃん(同3)が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪で在宅起訴された、旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(89)の第7回公判(下津健司裁判長)が27日、東京地裁で開かれた。

この日は、飯塚被告の被告人質問が行われ、弁護人と検察官が質問を行った。

飯塚被告は、弁護人から事故をいつ知ったかと聞かれると「当日の夜です。松永様の奥様とお嬢さまの2人が亡くなられたと知って、大変ショックを受けました。お二人のご冥福を祈る気持ちでいっぱいでした。また最愛の奥様とかわいいお嬢さまを亡くされたことについて、ご主人様も大変ご心痛、お悲しみを…と思って居たたまれない気が致しました」などと語った。

また事故が発生した直後に、松永さん母子が目の前に倒れていたのを見たと言い「より多くの人がけがされていると聞き、大変心が痛み、苦しい思いを致しました」とも語った。その上で「結果はどうあろうとも、この悲惨な事故のことを重く受け止めて参りたいと思います」とも語った。

一方で「ブレーキペダルを踏んだ時に抜けたような感覚があった」と言ったことに対し、検察官から厳しい追及を受けた。公判に証人として出廷した警察関係者が「ブレーキと思ってアクセルを踏んだ人が踏み間違えて抜けてしまう」と証言したことを引き合いに「自分のことを言っていると思わなかったか?」と質問されると、飯塚被告は「思いませんでした」と答えた。