ピンクリヤカーで、コロナによる酒類提供自粛に打ち勝つ! 動物や植物など数多くの愛らしいフルーツサンドが救世主となっている。東京・銀座コリドー街が本店の「串焼BISTRO福みみ」は、本来は焼き鳥や親子丼などが売り。だが、国や東京都の要請に従い、緊急事態宣言発令中は休業を決断。従業員から“一発逆転”を狙う打開策を募集、企画して生み出したのが、ブームになりつつあるフルーツサンドだ。

新たな新商品展開を「2933フルーツサンドふくみみ」と名付けた。販売担当の従業員は「お客さまに来ていただくことが難しい状況なので、私たちからお客さまのもとへ伺ってしまおうという発想です」。店舗近郊にリヤカーを引き、人気に火を付けた。

2月22日にプレ営業し、3月1日から本格的に販売開始。ほどよい甘みと酸味があるマスカルポーネチーズを加えた生クリームも特徴だ。「1番人気はウサギ、クマ、ネコ、パンダなどの動物シリーズ。お昼ご飯だけでなく、サラリーマンの方がお取り置きでお土産に持って帰っていただくことも多いです」。SNSを利用して、築地や月島、新宿など販売場所や時間の情報発信。予約も受け付けている。好評につき、リヤカー販売だけでなく、都内や千葉県の系列店でも店頭発売を開始。コロナ休業にも負けない“逆転ホームラン”の成功例だ。

20日まで予定されている緊急事態宣言。まん延防止等重点措置に移行、もしくは解除されたとしても、酒類の提供が出来なければ売り上げ回復は望めない。「コリドー街は午後8時からお客さんが来る街。たとえお酒を提供出来たとしても営業時短は厳しい」。政府には、東京五輪を含むイベント開催の観客上限を、定員の50%以内なら5000人から1万人に引き上げる案も浮上している。「飲食店ばかり苦しいので緩和してほしい。もう限界ですよね」。串焼きとフルーツサンド。二刀流での逆襲を心待ちにする。【鎌田直秀】