「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」決勝、豊島将之JT杯覇者(31)対藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)戦が21日、千葉市の「幕張メッセ」で行われた。

持ち時間10分の早指し対決は、先手の豊島が初制覇を目指した藤井を95手で下し、2年連続3回目の優勝を果たすとともに、優勝賞金500万円を獲得した。

角換わりから攻め合って敗れた藤井は、最後に猛追を見せた。82手目から7手連続で王手したが、差を詰められなかった。「先手7二歩(55手目)に対し、後手3一飛ではなく、後手2一飛の方が先手2三飛成(71手目)を防ぐことができた。後手8八歩(62手目)に対して、先手4五歩(63手目)と取り込まれて難しかった」と、舞台上で淡々と振り返った。。

今年17回目となる対戦。新人時代の4年前から昨年まで6連敗だった豊島に、21年だけで13勝3敗。王位戦7番勝負(4勝1敗)、叡王戦5番勝負(3勝2敗)、竜王戦7番勝負(4勝)というタイトル戦制覇も加わり、立場が逆転した。今年最後の直接対決で先輩タイトル保持者に意地を見せつけられた。

来年には年度内5冠を目指して、渡辺明王将(名人・棋王=37)との王将戦7番勝負に臨む。気持ちを切り替えて臨む。

◆JT杯 前年度のJT杯覇者である豊島将之竜王(31)と、今年2月28日時点での8大タイトル(竜王・名人・王位・王座・棋王・叡王・王将・棋聖)保持者、20年の賞金ランキング上位者の計12人による勝ち抜き戦。本来は地方を転戦してトップ棋士同士の対戦をすべて公開対局で行う。コロナ禍の影響で、今回は1回戦2局と準決勝以降が公開対局となった。優勝賞金500万円、準優勝150万円。