11月9日に心不全のため99歳で亡くなった作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんをしのぶ会が9日、京都市の「寂庵(じゃくあん)」で執り行われた。午後1時から始まったしのぶ会には多くのファンがつめかけ、大行列ができた。式典は行わず焼香のみとなった。

元衆院議員の辻元清美氏(61)も訪れ、祭壇に手を合わせた。「心の支えであり、命の恩人です。ほんと感謝しかない」と声を震わせた。

02年、秘書給与詐取問題で議員辞職した時、親交のあった寂聴さんから連絡があった。03年夏、京都・寂庵で約1カ月、寝食をともにした。夕食に肉をほおばる寂聴さんのパワフルな生き方に勇気をもらい、言葉に耳を傾けた。「再び生きる力を取り戻すことができた」と振り返った。

10月の衆院選で落選した辻元氏は「もっと長生きして、120歳まで元気にいてほしかった。もう1度相談に行きたかったのに…」とショックを隠せない様子だった。