千葉県船橋市は9日、「21歳の集い~1年越しの旧友との再会~」を船橋アリーナで開催した。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、昨年1月の成人式がオンライン開催に変更となった世代が対象。式典ではなく、千葉県のマスコットキャラクター「チーバくん」、船橋参品ブランドPRキャラクター「目利き番頭 船えもん」を招いた記念撮影会の機会を設けた。

中学の同級生10人強と「チーバくん」を囲んで撮影した大学生の女性は「去年の成人式が中止になったので、会えたのが中学卒業以来6年ぶりの友人もいる。楽しく話すことが出来たし、キャラクターはイベントなどに行かないと会ったり触れ合うことが出来ないのでうれしいです」。就職活動の話題でも盛り上がり、「ブライダル関係の仕事に就きたいです」と力を得ていた。

和服姿が映えた加藤美夜さんは「母に買ってもらった振り袖が着られたのでうれしい」と笑顔。成人式の中止だけでなく、ホテル勤務だけにコロナの打撃もあったが、「私たちの後輩たちは修学旅行がなくなったり、甲子園が中止になったり、もっと悲しい思いをしている。それに比べれば」と他人を思いやる一面ものぞかせた。

参加して希望を得た声もあった。動物看護士を務める佐藤かえでさんは「嫌なことがあっても自分で抱え込んでしまったけれど、これからは友人とかにも相談出来るなと感じた」。大学生の笹川和輝さんも「みんなでお酒を飲むことが出来る年齢になったので、コロナが落ち着いたら飲みに行きたい」と願った。

医療事務に従事している女性は仲間と笑顔を見せた一方、「みんなで集まる機会はないと思っていたのでうれしいですが、最近は毎日感染者が増えているので、まだ抵抗があります」。コロナの最前線で尽力してきただけに不安も口にした。

企画した船橋市教育委員会生涯学習部の牟田重実課長は「成人式は普段仲の良い友達より、少し外の枠で再会出来る場所。去年はオンライン開催でなくなってしまったので、そういう場所を作るために何かしたかった。『久しぶり~』というニコニコした楽しそうな顔が見られて、やってよかったと思った」と喜んだ。船橋市在住の梨の妖精「ふなっしー」からは「21歳の皆様、去年はなんかね、集まれなかったということなので、今年は無事集まれたことに、心からお祝い申し上げますなっしー」などのビデオメッセージも届いた。

卒業中学校別に1時間ずつ3部制にし、マスク着用、検温や消毒などを含めた感染防止対策を徹底して実施。316人が参加した。【鎌田直秀】