25人が犠牲になった大阪・北新地のビル放火殺人事件は17日、発生から1カ月となった。

現場の心療内科クリニックが入る雑居ビル前は色とりどりの花が手向けられ、突然命を奪われた犠牲者を悼み、手を合わせた。

会社の同僚を亡くしたという大阪府豊中市の50代の男性は「日ごとに悔しさが込み上げる。なんとか未然に防ぐことができなかったのか…」と沈痛な表情で話した。

亡くなったクリニックの西沢弘太郎院長(49)は休職中の人の職場復帰を支援する「リワークプログラム」と呼ばれる心理療法も取り入れていた。クリニックに通っていたという神戸市の女性(37)は「きょうは先生にあいさつというか花を手向けにきた。親身に話も聞いてくれて、優しい先生でした。先生に『ありがとうございました』と伝えた」と手を合わせた。

事件後、通院途中に手を合わせているという30代の女性は「黙って通ることができない。なぜ、こんなことが起きたのか。できる限り真相を解明してほしい」と話した。