第166回芥川賞・直木賞の選考会が19日、都内で開かれ、芥川賞に砂川文次さん(31)の「ブラックボックス」(群像8月号)、直木賞に今村翔吾さん(37)の「塞王の楯」(集英社)と米沢穂信さん(43)の「黒牢城」(KADOKAWA)が選ばれた。

直木賞の2人も3度目のノミネートで、作品はともに戦国時代の籠城戦の物語となった。子どもたちにダンスを教えてきた今村さんは30歳で小説を書き始めた。受賞の連絡に号泣したことを明かし「子どもたちに30歳からでも夢はかなうことを示せました」「直木賞を取ると公言してました」と話した。37歳の受賞はあこがれの池波正太郎と同年齢。「今回しかなかった」とうれしそうに答えた。米沢さんの「黒牢城」は年末恒例の「このミステリーがすごい」「週刊文春そのミステリーベスト10」「ミステリが読みたい!」で3冠を獲得した話題作。「ここまで間違っていなかったというメッセージと受け止めています」と話していた。