将棋の史上最年少4冠、藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖=19)が3日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第80期順位戦B級1組、阿久津主税八段(39)戦で快勝し、対戦成績9勝2敗とトップをキープした。

午前10時から藤井の先手で始まった対局は、横歩取りから飛車角を交換して打ち合う展開になった。「構想の立て方が難しかった」と振り返ったが、午後8時52分に81手で勝利した。

同日、大阪市「関西将棋会館」で行われた松尾歩八段(41)対稲葉陽八段(33)は午後10時35分、2位追走の稲葉が松尾に94手で勝ち、8勝3敗とした。

このため、藤井のA級昇級は、3月9日に行われる最終局の佐々木勇気七段(27)戦に持ち越された。佐々木を下せば、初のA級入りが決まる。「(あと1勝で)自力で昇級できるので、しっかり集中して臨みたい」と話していた。

A級は10人総当たりで22年6月あたりから23年3月まで、ほぼ月1局ペースで行うリーグ戦。成績最上位者は23年4~6月開催予定の名人戦7番勝負の挑戦者となる。藤井がここに登場して来年、名人を獲得すれば、遅くとも20歳11カ月。谷川浩司現九段(59)が1983年(昭58)に達成した21歳2カ月の史上最年少記録を上回る。