れいわ新選組の山本太郎代表ら3議員が22日、衆院本会議の2022年度予算案の採決を行った壇上で、異例の絶叫パフォーマンスを展開して議場を騒然とさせた。

大石晃子衆院議員が投票箱の前で立ち止まり、「このままの予算でいいんですか。この国会の茶番に抗議します。反対」と絶叫すると、山本氏は「自民、公明は少数会派を…」と叫んだがヤジや怒声にかき消され、細田博之衆院議長から「速やかに投票を願います」と促されたものの「これで困っている人たちを救えるか」などと猛抗議を続け、約1分間にわたって壇上を「占拠」した。

予算案は一般会計の歳出(支出)総額は新型コロナ対策を中心に107兆5964億円と、10年連続で過去最大で、現行憲法下で最速だった99年度予算案の2月19日に次ぐ過去2番目のスピードで衆院を通過した。山本氏は会見で「自民、公明に対して少数会派の予算審議での発言権を奪うな、排除するなという趣旨だった。この程度の予算で困っている人たちを救えるはずがない。消費税の減税と一律の給付を求めた」と説明した。その上で「この予算に関しての発言の機会は1度も設けられなかった。自分たちの思いを何かしら表した」と訴えた。

これまでも投票箱まで、ゆっくり歩いて採決を引き延ばす「牛歩戦術」は、山本氏も実行したことはあるが「絶叫戦術」は極めて異例。与党側から「懲罰委員会にかける」といった声が上がったが、山本氏は「あれが懲罰にかかるんだったら、もっと早くに罰を受けなきゃいけない人は、いっぱいいる」と笑い飛ばした。「そういう必要があるんだったら、そういう形になるでしょうし、あの範囲で懲罰に当たるものではない」と強気の「太郎節」を連発し、存在感を示した。【大上悟】