発明家のドクター・中松氏(本名・中松義郎=93)が25日、都内で会見を開いた。同氏は日刊スポーツの単独取材に応じ、ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、世界で最も規模が大きい国際科学展を開催する、プーチン大統領が事実上のトップを務めるロシアの科学団体「アルキメデス」に対し、国際法を順守するよう近日中に進言する意向を明らかにした。

中松氏は「ロシアの科学上の友人に対して、しっかり国際法を守り、準拠した正しい行動を取ってくださいということは、言う予定でおります」と明言した。同氏によると、アルキメデスは「プーチン氏が団体のヘッドになっている」という。昨年も同団体からロシアを訪問しないかと招請を受け、現地に行けばプーチン氏と対面の可能性もあったというが、オミクロン株の感染拡大を受けて見送ったという。

ロシアは、ウクライナ東部のドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立を認めたが、中松氏は「他人の国の領土を、自分の領土にするのを勝手に決めているんでしょ? それって、国際法違反じゃないの?」と首を傾げた。その上で、過去2回の大戦後の処理、各国間の取り決めが不完全で、火種を残したまま現代まで至ったことが、ロシア軍のウクライナ侵攻に至った根本的な要因であり、問題であると指摘した。

中松氏は会見で、新型コロナウイルスのオミクロン株を遮断する「オミクロンシェルター」を発明したと発表した。同シェルターは「出入り口を鉄扉の仕切りで密閉し、オミクロン株をシャットダウン。室内を吹き抜ける陰圧装置で防御。新鮮な空気を導入。免震構造で地震にも強い」という特性を持っている。「世田谷に30室、港区に10室、建設は完了しており、オミクロン株の感染者を受け入れられる。空理空論じゃなく、実際に現物があるという話」と強調した。

また、オミクロンシェルターは鉄扉で仕切るため、対原爆用のシェルターとしても機能すると説明。「ウクライナでは現実に必要」とも口にし、ウクライナ側から要請があれば技術提供する考えも示した。その上で、中松氏は「日本人は、ヨーロッパで起こっていることだと思っているだろうけれど、アジアも危険な環境。戦争を体験している僕から言わせれば、日本は平和ぼけしている。もっと備えがないと…今の日本人は、非常時という概念がない。日本自身も防御しないといけない」と訴えた。