株式投資で30万円を1億円にした元サラリーマンのマル秘テクニックの「実践編」。今回は東京証券取引所の60年ぶりとなる市場再編での勝つための工夫についてです。

日本中央競馬会(JRA)に登録されている競走馬を大きく3つに分けるとすれば、実績が十分なオープン馬、まだそこまでに届かない条件馬、急成長が期待でき実績次第でクラシックレースに出場可能な2歳馬、3歳馬といったところでしょうか。

東京証券取引所は4月4日から市場を3つに分けました。実績十分な東証プライム、まだそこまで届かない東証スタンダード、急成長が期待できる東証グロースです。個人投資家にとっては、この3つの市場区分はほとんど意味がありません。どこの市場の銘柄も制限なしに売買できます。ところが他人のお金を運用する機関投資家にとっては意味があります。TOPIX(東証株価指数)と同一、もしくは上回る成績を目指すような投資ファンドは、ほぼ東証プライムの銘柄しか売買できないのです。

なので東証プライムは、運用のプロが対戦者として待ち構えている難易度の高い市場と言えます。そんな東証プライムで勝つためには工夫が必要です。

私がよくやるのは機関投資家の運用ルールを逆手に取る方法です。今回の市場再編によるTOPIXのルール変更に伴い、4月27日、5月30日、6月29日と3回に分けて投資ファンドに買われる銘柄があります。NTT、ソニー、任天堂、KDDIなどです。こういった銘柄を事前に買って、適当なところで彼らに売りつけるのです。経験上、高値近辺にある銘柄の勝率が高い。高値で買ってさらに高値で売るのです。NTT、KDDIあたりが狙い目です。

◆夕凪(ゆうなぎ) 1967年(昭42)、新潟県生まれ。電気通信大卒。大手IT企業に勤めながら04年に30万円から始めた投資資金で億超えを達成。12年に退職し、専業投資家の道を選ぶ。「イベント投資」の名付け親。ツイッターのアカウント「夕凪」で投資情報を随時更新中。著書に「スタバ株は1月に買え!」(東洋経済新報社)。