囲碁棋士の石田芳夫九段(73)が旭日小綬章を受章した。囲碁界の同章の受章者は、2004年(平16)の故加藤正夫名誉王座(追贈)以来、8人目。石田九段は18年の紫綬褒章に次いでの受章。囲碁棋士として今年は井山裕太名人(本因坊・王座・碁聖=32)も紫綬褒章を受章している。

「光栄としか言えません。井山さんの大活躍のおかげで、囲碁界が社会的に見直された。こちらはおまけ。同時に頂けてうれしく思います」と話した。

愛知県出身の石田九段は、9歳で故木谷実九段の内弟子として神奈川県平塚市で暮らし、63年プロデビュー(初段)。68年に第12期首相杯で優勝して初タイトルを獲得した。71年には第26期本因坊戦で林海峰本因坊を4勝2敗で下し、当時22歳の史上最年少で本因坊となった。

翌72年、師匠から「防衛できたら独立を許可する」と申し渡された。独立がかかった本因坊戦防衛戦の最終第7局で林との再戦を制した。「序盤に見損じがあったが、決め手を与えずに粘って勝って独立できた。ただ、木谷先生が74年に平塚の道場を閉じ、75年に亡くなられたことを思えば、もう少し平塚にいてもよかったかなと思います」と思い出を語った。

コンピューターの異名通り、「どちらが何目勝っているのか、計算を間違えたことがない」と豪語する。大阪万博(70年)で富士通がコンピューターと囲碁を出展していたことから、冷静かつ正確に分析した打ち方に、こんな名前が付けられた。

現在、1144勝724敗。「昨年、先輩の大竹英雄さんが80歳で引退しました。通算2000局と、1200勝に到達したら、自分は考えます。年平均15勝としてあと3年。マイペースで行けそう。山で言えば8合目付近かな」と笑っていた。