夏の参院選東京選挙区(改選数6)に出馬を表明した作家の乙武洋匡氏(46)が20日午前、義足トレーニングを行っている東京・江東区の施設内で記者会見を行った。「既存のメニューだけでは生きづらいと感じている方々により多くの選択肢を提供していく。これまでに取り組んできた教育、福祉に選択肢を増やすことを政策として実現したい」などと訴えた。

立候補を決意するにあたって「特別な存在」というダウンタウン松本人志さんに電話連絡したことを明かした。2016年の不倫報道で、同年の参院選東京選挙区からの出馬辞退に追い込まれた際に松本さんから「乙武さんは社会にとって必要な人だと思うと、何度も励ましていただいた。それが支えになっていた」と語った。

無所属のため政党の支援や組織力などの点で不利な面が少なくない。電動車いすを使用する乙武氏にとって街頭活動でも制約が出て来る可能性がある。選挙戦略について「SNS(会員制交流サイト)やユーチューブの生配信でみなさんにコメントしていただきながら双方向的なやりとりをリアルタイムで行う」などの空中戦を駆使する考えを示した。

きょう21日は東京・用賀で初の街頭演説を予定している。「4歳から16歳まで12年間住んだ町。幼稚園、小学校、中学校と私の人間形成に大きくかかわった舞台となった。一番、感謝している町でもある。初めての街頭演説、スタート地点にしたい」などと街頭演説デビューに臨む。

東京選挙区は立憲民主党の蓮舫、公明党の竹谷とし子、共産党の山添拓、自民党の朝日健太郎の現職4氏に自民党のタレント生稲晃子、日本維新の会の海老沢由紀、ファーストの会代表の荒木千陽ら新人各氏も出馬を表明。参院選は6月22日公示、7月10日投開票の日程が有力となっている。