将棋の渡辺明名人(38)に斎藤慎太郎八段(29)が挑戦している、第80期名人戦7番勝負第4局が19、20日の両日、山口市「名勝 山水園」で行われ、後手の渡辺が100手で勝った。シリーズ対戦成績を3勝1敗とし、3連覇まであと1勝と迫った。第5局は28、29日に岡山県倉敷市「倉敷市芸文館」で行われる。

戦型は相掛かり。序盤戦からお互いの構想がぶつかり合う、研究の最先端の将棋となった。2日目の昼食休憩後に渡辺が攻勢に転じ、リードを広げた。斎藤は粘り強い指し手で応戦したが、最後は渡辺が押し切った。

3連覇へ王手をかけた渡辺は「形勢判断が難しかった将棋でした」と振り返り、第5局へ向け「来週、続けてあるので、ちょっとまた考えて臨みたい」と話した。

今シリーズの名人戦は前期と同カード。これで渡辺の斎藤との対戦成績は11勝5敗。超能力を持つ漫画の主人公に風貌に似ていることから「魔王」の異名を持つ。第3局は逆転負けを喫した渡辺が強さと貫禄を示した。