れいわ新選組の山本太郎代表(47)は東京選挙区での出馬の表明から一夜明けた21日、町田市で街頭演説を行った。午後4時ごろ、JR町田駅のペデストリアンデッキ(高架歩行者通路)でマイクを握った山本氏は「東京選挙区は大混戦なんです」と強調した。約100メートル離れた街頭では自民党から出馬予定のアイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーでタレントの生稲晃子氏(54)の街頭演説が開かれ、早くもマイクの声がかぶりあう“つばぜり合い”となった。

山本氏の演説が始まってから約1時間後、生稲氏陣営の演説が始まった。山本氏の演説中にも生稲氏側のマイクの音が届く状況で、山本氏は「あちらで自民党の方が演説されていて『日本を守り抜く』とか言うけど、話が違います。(自民党は)『日本を切り売りする』ということを進めてきた」と目と鼻の先で批判してみせた。

東京選挙区は、立憲民主党の現職蓮舫氏らのほか、新人の生稲氏や作家の乙武洋匡氏ら有名人候補が並ぶ。元俳優の山本氏は「他の候補者について思うことは、特にないです。自分がやるべきことをやるだけ。1議席をもぎ取りに行く」と語った。

一方の生稲氏は、いずれも前日に出馬表明した山本氏と乙武氏の出馬表明について「2人とも、ものすごく知識が豊富で言葉(弁)も立つ方」としつつ、多くは語らず「候補者のみなさんが誰であっても自分の思いを伝えて走るだけ」と話した。この日は演説会場の時間と場所がニアミス状態だったが、陣営関係者は「町田は場所がかぶる。(山本氏側と)打ち合わせして、マイクのボリュームを下げたり、スピーカーの向きを変えたり、互いに配慮した」と説明した。【沢田直人】