6月22日公示、7月10日開票が有力視される夏の参院選で、激戦地区の東京選挙区(改選数6)から無所属で出馬表明した作家の乙武洋匡氏(46)が27日、東京・高田馬場駅前広場(新宿区)で街頭演説を行った。幼少のころに生活した用賀(渋谷区)で21日、初めての演説を実施してから2度目の演説となった。

新宿生まれの乙武氏は冒頭で「高校時代から早大(政経学部)時代の8年を暮らした場所で街頭演説をしようと決めていた」と理由を述べ、「私が大学3年のときに著書の『五体不満足』を出版して、ここの駅前の書店さんで大きく売り出してもらった。そこのロシア料理店もよく行ったなぁ」と感慨深そうにつぶやいた。

用賀での初街頭後は、選挙ボランティアの一般参加希望者は27日までに600人を超えた。「選挙の何もわからず手探り状態。『五体不満足』のノボリと『国会へ』のタスキも慌ててつくって、今日がデビューです」と満足の表情だ。

その場にいる聴衆から質問を受け付け、返答していくというスタイルにこだわる。「戦略なんてない。公示日まではみなさんからの声を少しでも多く聞いて、何を課題とするかを見つけていきたい。だから、公示日まで政策は話しません」と話した。【寺沢卓】