谷川浩司十七世名人(60)の推戴状授与式が9日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。谷川は4月6日に還暦を迎えた。1983年(昭58)に21歳2カ月の史上最年少で名人を初めて獲得し、「1年間預からせていただきます」の名言を残した。以来、通算5期を獲得し「永世名人」の資格を得ていた。このほか、タイトル通算獲得27期(竜王4、名人5、王位6、王座1、棋王3、王将4、棋聖4)は、羽生善治九段(51)の99期、故大山康晴十五世名人の80期、中原誠十六世名人(引退=74)の64期、渡辺明名人(38)の31期に次いで、歴代5位の記録だ。

日本将棋連盟理事会ではこれまでの実績と将棋界への貢献を考慮し、永世名人襲位について推薦した。名人戦主催者と谷川自身から合意を得られて合意し、5月23日付で決まった。

永世名人の襲位は07年11月の中原以来。現在の実力制名人戦になってからは、木村義雄十四世名人、大山康晴十五世名人、中原に次いで4人目となる。通常、引退後に名乗るのだが、大山は53歳、中原は60歳で襲位している。

「歴代のお三方は一時代を築かれた。私はギリギリの5期。戸惑いもありましたが、60歳の節目にありがたくお受けすることにしました」と、今回の襲位について説明した。

名人獲得5期に対し、名人戦敗退は6期。「負け越しで永世名人は最初で最後になる可能性があるのかなと。それだけ挑戦し続けた結果。現役棋士として、若手棋士との盤上での対話を楽しめるよう、これからも精進していきたい」とも話した。

谷川の後には、十八世名人として森内俊之九段(51)、十九世名人として羽生善治九段(51)が、それぞれ有資格者となっている。

最年少名人の記録は、今期A級に初昇級した藤井聡太竜王(19)が挑戦権を獲得し、渡辺名人を倒せば更新される。「私は(初タイトルとなる名人を獲得するまで)タイトルも優勝もなかった。藤井さんはすでにタイトルを5つも持っている。実力や実績では圧倒的。A級順位戦を見守りたい」と、今から楽しみにしている。