参院選(22日公示、7月10日投開票)へ向けて18日夜、インターネット動画中継サイト「ニコニコ動画」で9党党首による討論会が行われた。岸田文雄首相(自民党総裁)、公明党の山口那津男代表、立憲民主党の泉健太代表、日本維新の会の松井一郎代表、共産党の志位和夫委員長、国民民主党の玉木雄一郎代表、れいわ新選組の山本太郎代表、社民党の福島瑞穂党首、NHK党の立花孝志党首が参加した。

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公示前最後の週末に行われた討論会。ウクライナ情勢を巡って原油や原材料価格の高騰による物価高、円安など経済問題が冒頭のテーマとなった。岸田首相は「物価高騰はエネルギーと食料品がほとんど。この2点に特化した物価対策を行わなくてはならない」としたが、立民の泉代表は「4月、5月に下がった年金に補正予算はまったくない。年金の追加給付、消費税減税は外せない」と早急な対策を訴えた。

維新の会の松井代表は「安全な原発を早期に再稼働させてエネルギー価格を抑える」、国民の玉木代表も「安全性の確認された原発を動かして電気料金を下げる」と原発再稼働を強調した。共産党の志位委員長は「最も効果的な物価対策は消費税を5%に減税すること」、れいわの山本代表は「消費税廃止」、社民の福島党首は「この3年間、消費税を0にする」、NHK党の立花党首は「年金受給者の方のNHK受信料を無料化する」とした。

自衛隊の明記など憲法9条改正についても討論が熱を帯びた。首相は「自民党の憲法改正案4項目はすぐに行わなければいけない改正だ。いつまでと決めるものではないが、できるだけ時間をかけずに国民に選択していただく機会をつくるべきだ」と主張。維新の松井代表も「自衛隊は合憲であるとはっきりさせるべき」などと訴えた。一方、立民の泉代表は「今の自衛隊は合憲であると多くの国民は思っている。(自民党の)4項目には同意できない」と釘を刺し、公明党の山口代表も「あえて書かなければ、自衛隊の仕事ができないということではない」と自衛隊の明記について自民との温度差を示した。

「核共有」の議論をめぐっては立民の泉代表は「現実的だと思えない。むしろ日本の国民を危険にさらしてしまう」、れいわの山本代表も「周回遅れ」の議論と一蹴した。国民の玉木代表が「原子力潜水艦の保有の検討を具体的に進めていくべき」としたことについて立民の泉代表は岸田首相に意見を求めたが、タイムスケジュールの都合で岸田首相からの回答がないままとなった。