参院選は2日、2度目の週末を迎えて与野党の党首や幹部らが激戦区を中心に支持を訴え、全国行脚するなど終盤戦に突入した。自民党の岸田文雄首相は福井を皮切りに京都、滋賀、大阪と近畿圏の4府県で遊説を行った。安倍晋三元首相は午前に東京・立川市でマイクを握ると、北海道に飛んで午後2カ所の遊説を精力的にこなした。立憲民主党の泉健太代表は長野県内で、共産党の志位和夫委員長は東京で遊説を行った。

日本維新の会は松井一郎代表と副代表の吉村洋文大阪府知事が公示(6月22日)後、3度目の東京入りとなった。2氏は別行動で都内を4カ所ずつ、計8カ所で街頭演説を行った。JR錦糸町駅前で、この日の遊説を締めた松井氏は、代表と副代表がそろっての東京入りしたことについて「できる限りことをやろう。それだけです」としたが、激戦の東京選挙区(改選数6)について「手応えは厳しいです。候補者の知名度がない」と、危機感をあらわにした。

首都圏進出を足掛かりに立憲民主党を上回って野党第1党へ弾みをつけたい維新は首都決戦を「最重要地区」の1つに位置付け、公示前から松井、吉村両氏が積極的なテコ入れを行ってきた。「魔法のつえがあったら教えてもらいたい。ないんです、そんなのは。もうコツコツ、アリさんのように足で稼ぐしかありません」と形勢逆転をかけたラストスパートへ口元を引き締めた。

選挙戦は残り1週間。3日がラストサンデーとなり、連日の猛暑の中で与野党党首や幹部による全国行脚の熱気はさらに高まる。【大上悟】