アイドルグループ「おニャン子クラブ」の元メンバーで自民党公認で東京選挙区(改選数6)で初当選したタレントの新人、生稲晃子氏の選対事務所は11日、テレビ東京系選挙特番「池上彰の参院選ライブ」のプロデューサーと、キャスター池上彰氏(71)について「抗議文」を発表し、謝罪と訂正を求めた。

10日放送の同番組では、生稲氏が全てのテレビ番組へのインタビュー出演を拒否したことを池上氏が明かし、さらに同局官邸キャップが同陣営関係者への取材の結果、出演拒否の理由として「陣営の関係者に取材したところ、匿名を条件に答えてくれました。『生稲さんの国会議員としての資質、勉強が圧倒的に足りないから』とおっしゃっていた。陣営の内部の方がおっしゃっていた」と話していた。

選対本部は「まず、生稲晃子はマスコミ各社共同のインタビューを受けております。選挙戦の状況から当落結果が出るのに時間がかかることが予想されておりました。広報担当者間で協議した結果、全てのテレビ局の入り中継に対応するか、全てに対応しないかの二者択一となりました」と説明。

その中で、広報担当の川松真一朗都議会議員から「前後の企画や状況より、当選後の時間が確定しない状況で全社対応していると時間が読めない」という指摘があったことという。さらに立川に三多摩地区の開票センターを設けて支援者を集めていたことから「多くの支援者を待たせるわけにはいかないと判断し、共同インタビューは受けさせていただくものの、個別の対応はしないと結論を出しました」と経緯を説明した。

同番組で、官邸担当キャップの「陣営の方」の証言について「全くもって事実ではありません」とした上で、選対本部は「公共の電波を使って真偽不明の情報を流し、特定の個人を貶める行為は報道倫理にもとるものであり、貴社のメディアとしての姿勢を疑わざるを得ません。(中略)個人を貶めるために事実と異なることを放送した、株式会社テレビ東京ならびに池上氏には、謝罪と訂正を求めます」とした。

同問題をめぐっては、当選確実となった10日深夜にも、選対本部担当者が取材に応じ「情勢から当確がいつ出るのか分からず、また2つの選挙事務所へのあいさつもあり、時間的制限もあった。1つの局に出演すれば、全局に出演となるので、0か100かを選ぶ時に、0の方を取りました」と説明。生稲氏は共同インタビューで安倍元首相への思いを話していた。

一方、テレビ東京側は11日、今回の件に関して取材に応じ、同社広報部を通じて「放送した内容は、弊社の記者が取材で得た情報を元にお伝えしたものです」とのみコメントした。