タレントで前宮崎県知事の東国原英夫氏(64)は7日、宮崎県知事選(12月8日告示、25日投開票)への立候補を検討していると明らかにした。

さらに、知事選出馬表明会見を8月中旬に宮崎市内で行うことも判明。複数の関係者によると「9月では遅い。準備期間がほしい」などの声が出ており、クリスマス決戦へ向けて本格的な組織づくりを、今からスタートさせる。

7日に宮崎市民文化ホール(1800人収容)で開催された自身の講演会は、広く告知していなかったにもかかわらず、事前予約が1200人。当日はコロナ禍による高齢者の辞退もあり約800人にとどまったが、東国原氏の笑いを交えたトークで盛り上がった。その後の報道陣との取材で、出馬への意欲を示唆したという。

東国原氏へ県民の注目が高まる中、同関係者からは「8月のうちに準備に入りたい。特にボランティアスタッフが中心の活動になるから、出馬表明は早いに越したことはない」との声が上がっていた。

2011年に東国原氏が知事を退任し、当時副知事だった河野俊嗣氏(57)が知事を引き継いだとき、東国原氏のスタッフ数人がそのまま河野氏の事務所に“移籍”して現在に至る。「今さら河野さんの事務所で汗を流している人には声は掛けられない。選挙戦を戦っていける人材育成は新たにしないといけない」と東国原氏の陣営では早期の出馬表明を望んでいた。

また、東国原氏が1期で知事を退任したことへの不信感は今も県民に根強く残っており、東国原氏から県民に向けた事情説明が必要だと、陣営では共通認識として持っているという。

まずは8日以降に県選挙管理委員会に政治団体の届け出申請をするもようで、登録名は「東国原英夫後援会」になりそうだ。初当選した07年1月の知事選では06年12月4日に「そのまんま会」の名前で届け出ていた。当時の準備期間は約1カ月だったが、今回は8月中旬に出馬表明できれば、告示まで100日以上の準備期間で、知事選を迎えることができる。【寺沢卓】