カブトムシで子どもの笑顔を満タンに-。鹿児島県日置市のガソリンスタンド「福田石油店」では給油のお礼として、子ども連れの客などにカブトムシやクワガタムシをプレゼントしている。店主の福田晋拓さん(50)は「子どもに喜んでもらえるから」と、16年ほど前からプレゼントを続けている。

ガソリンスタンドの水銀灯の照明に、集まった虫を客にあげたことがきっかけ。反響を呼び、市外から来店する親子や「孫のために欲しい」と話すお年寄りがいるという。福田さんは営業終了後、高校生の息子2人やアルバイトと近くのクヌギ林に虫捕りに向かう。「蜜の出る木を探すまでが大変です」。特別なわなは仕掛けず、網と虫かごと懐中電灯のみで挑む。一晩で20~30匹の虫を捕まえるが、ほぼ一日で渡しきってしまうという。

子どもが虫を選ぶ際は、必ず子どもの手で触らせることがこだわりだ。「怖くて触れなかったら飼うことができない」とも教えている。虫のプレゼントは毎年6~8月下旬ごろまで行っている。【沢田直人】