国内最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)100」が13日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕した。75年の第1回から始まり、開催100回目を迎えた。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、夏の開催は3年ぶりとなった。14日までの2日間で行われる。13日は約8・5万人が来場したが、この日は台風8号が接近し、会場外の待機列にいた人が大雨に見舞われる場面もあった。

参加者たちは思い思いに楽しんだ。漫画「SPY×FAMILY」(集英社)に登場する「ヨル・フォージャー」のコスプレをしたりえさんは、100回目を迎えたコミケについて「この文化はここでしか味わえない。素晴らしい伝統だなと思います」と笑顔。台風の影響に触れ「外で撮れないのは残念でした」と肩を落とした。

福島県のラーメン店の擬人化本を出品した福島県伊達市出身のイラストレーター高橋わな美さんは、3年ぶりに新刊を発行。新刊400冊を売り「コロナ禍で苦しんだお店を応援している」と語った。初めてコミケを訪れたという米出身のブランドン・ルゴさんは「楽しくて良い雰囲気。日本語は漫画で勉強している」と話した。【沢田直人】

◆コミックマーケット コミケは漫画批評サークル「迷宮」が75年12月21日に小さな会議室から始めた。第1回は32のサークルが出店し、約700人が訪れた。来場者が増え続け、96年から会場を東京ビッグサイトに移した。19年12月のコミックマーケット97は4日間で過去最高の約75万人が参加した。14年には演歌歌手の小林幸子が初参加。会場では、アニメや漫画、ゲームなどの自主創作の同人誌が並び、人気キャラクターに扮(ふん)したコスプレイヤーの撮影ブースなどがある。通常は夏と冬で年に2回行われる。