エリザベス英女王の訃報を受けて、女王が75年に来日した際に一般社団法人日英協会が主催したパーティーで、特産の十勝ワインを提供した醸造所「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」(北海道池田町)からは9日、悲しみの声が上がった。

エリザベス女王は75年5月に日英協会主催のパーティーに出席。研究所は72年の白の十勝ワイン「セイベル9110」を提供した。佐野寛所長(56)は「日英協会を通じて、女王からお褒めの言葉を頂いた」と明かし「生産地や特徴を詳しく聞かれ『軽くておいしい』と2杯、3杯と重ねられていたと伝えられています」と話した。

72年に製造された「セイベル9110」は540本限定で、完売後は販売をしていない。研究所には女王が飲んだものと同じ年に作られたワインが展示されている。75年当時のスタッフは既に引退しているが、佐野氏は「お褒め頂いたことは、現場のスタッフにとって非常に励みになった。名誉なことだと思っています」と感謝した。

女王が亡くなったことを受けて「信じられない気持ちがこれから悲しみに変わってくると思います。また、お飲み頂く機会を失ったのは悲しい」と悼んだ。