トランプ前米大統領が、19日に執り行われることが決まった英国のエリザベス女王の国葬に招待されないことが分かった。バイデン米大統領はジル夫人と共に国葬に出席することが正式発表されているが、オンラインメディアのデイリー・ビーストによると招待を受けることを期待していたトランプ氏は大統領が率いる弔問団に加わることはないと報じた。米CNNも、ホワイトハウス当局の話として、弔問団を率いる形ではなく、夫妻だけの単独での参列になると伝えている。

トランプ氏はエリザベス女王が8日に死去したことを受け、同日午後に自身のSNSで女王との写真と共に「深く悲しんでいます。女王に神のご加護がありますように」と追悼のコメントを発表。女王はすばらしく、美しい女性で、彼女のような人物はいないと称賛していた。在任中の2019年に国賓として英国を訪問し、バッキンガム宮殿で行われた女王主催の晩さん会に招かれていたトランプ氏は、女王の国葬への参列を望んでおり、側近がバイデン大統領は弔問団にトランプ氏を加えるべきだと語っていた。

2013年に南アフリカのマンデラ元大統領が亡くなった際などこれまで諸外国の国葬では、現職の大統領が弔問団を率いて参列するのが通例となっていたが、その伝統に反して、女王の国葬への招待者は現職の国家元首とその配偶者またはパートナーに限定されたとデイリー・ビーストは伝えている。国葬とそれに関連するイベントではスペースの問題から、国家元首の配偶者以外の家族やスタッフ、側近も参列できないと英外務省のガイドラインに記されているという。

一方、国葬に参列する外国の要人はヘリコプターの使用を避けるため、民間機を利用することを求めており、会場となるウェストミンスター寺院までの移動も車ではなく、シャトルバスを利用することになると英タイムズ紙は報じており、バイデン大統領もバスに乗車する可能性が浮上している。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)