世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は22日、東京都渋谷区の教団本部で会見し、安倍元首相銃撃事件の山上徹也容疑者(42)の母親の献金について「1億円以上とは確認が取れている」と認め、顧問弁護士が「過度な献金だったと思う」と話した。7月8日の事件以降、元信者らから献金について返金を求められ対応したケースが114件あり、信者の脱会表明も「何十件かある」とも説明した。

教団は今月、本部に設置したという「教会改革推進本部」などについて会見。本部長に就任した勅使河原秀行氏と、福本修也弁護士が出席した。山上容疑者の母親の献金については「正確な金額は分からないが、約1億円以上との確認は取れている。原資は生命保険、不動産の売却代金。過度な献金と思う」(福本氏)などと説明した。

事件後これまでに、元信者や家族らから、過去の献金について返金を求められ対応したケースを問われると「114件くらい対応。クレームがきて返金すべき問題だと判断して対応した」、信者の脱会表明については「100件以下、何十件かある」(勅使河原氏)などと答えた。勅使河原氏は一方で、コンプライアンス宣言を掲げた09年以降「献金などに対する民事訴訟は和解した4件計約3800万円だけ」と強調したが、訴訟にならないクレーム数などについては「分からない」とした。

会見では、献金や勧誘についてコンプライアンス宣言の再徹底を強調。勅使河原氏は「献金が生活を害するような過度なものになってはならない。指導していきたい」とし、「過度な献金」について「通常の社会生活を困難にする程度か、献金のために借金をすること」と新たに明示し確認して受け取るとしたが、確認方法など詳細はこれからという。方針に違反した責任者や職員は厳正に処分するなどの施策も説明した。

勅使河原氏は30年前の教団の合同結婚式で、メディアから「テッシー」などと呼ばれて話題になった人物。会見では、献金をめぐる報道について「収奪とか貢がせるとか表現されている。あたかも犯罪組織がだまし取っているような印象で、腹立たしい」などと語気を強める場面もあった。