「大宮公園大掻掘(だいかいぼり)まつり」が3日、さいたま市の大宮公園内にある舟遊池(通称「ボート池」)で行われた。

池の水を事前に抜いた状態として、午前中は幼稚園児から60代のシニアまで約200人のボランティアが参加。池の中に入って泥に足を取られたり、太ももや腰までつかりながら、獲物をタモなどですくった。

埼玉県公園スタジアム課によると、在来種はナマズ、ドジョウ、キンブナが数匹ずつ、テナガエビ、ギンブナ、ヨシノボリがそれぞれ数十匹で、スジエビやモツゴ類は数万匹も捕獲された。これらは園内の別の池に移された。このほか、ボウフラを食べる特定外来種のカダヤシ、外来種のアメリカザリガニ、コイが数匹ずつ捕獲され、これらは駆除されたという。

この池は1934年(昭9)に完成。面積約1万8000平方メートルで、00年までは貸しボートも営業していた。水質悪化のためアオコが大量発生するなど、環境改善が課題となっていた。11年に行政主体で水を抜いたことはある。今回は県民や地元企業などにも呼びかけ、「魚も鳥も虫も人も集まる池にしよう」との思いで連係した。

かいぼりは、4日もボランティア約100人が参加して開催の予定。その後は池干しをして泥の中にたまったチッソを空気中に放出したり、リンを水に溶け出しにくくなるように化学変化させる。同時に水草が生えるようにして水鳥やトンボ、小魚やエビが住める環境も整える。来年3~4月には水を戻す。埼玉県では、貸しボートの復活も検討中としている。【赤塚辰浩】