警視庁目白署は7日、虚偽の内容で新型コロナウイルス対策の給付金「生活困窮者自立支援金」を申請し、現金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、東京都渋谷区職員の石川隼大容疑者(29=東京都豊島区)を再逮捕した。

石川容疑者は、交際していた女性に睡眠導入剤入りのミルクティーを飲ませて乱暴したとして、準強制性交の疑いで10月に逮捕され、起訴されている。調べに対して、「日々の生活費の足しにしたいと思い、安易な気持ちでやった」「どうせ、ばれないだろうと思った」などと供述しているという。

警視庁や目白署によると、石川容疑者は今年4月中旬から6月中旬にかけて複数回にわたり、虚偽の内容で豊島区に給付金の申請を行い、合計18万円をだまし取った疑い。

石川容疑者は、生活困窮者自立支援金とは別に、住民税非課税世帯への臨時給付金についても虚偽の申請をしていた。しかし区による審査の過程で、虚偽の申請内容であることが発覚。渋谷区職員で実際は収入もあることから、7月に区が目白署に相談。調査が続いていた。

一方、渋谷区によると、石川容疑者は、支援金の給付業務も担当する福祉部生活福祉課の職員。区役所職員になって2年目で、1年目から生活福祉課に所属している。昨年度は支援金給付業務の担当だったといい、申請に関する一定の知識はあったとみられる。

担当者によると、前回の逮捕時同様に、区民らから厳しい声が寄せられているという。今後、石川容疑者については「厳正に処分する」としている。

石川容疑者の再逮捕を受けて、区のホームページには「別の容疑で逮捕・勾留されていた職員が詐欺容疑で再逮捕されました。度重なる事件で極めて遺憾であり、当該職員に対しては厳正に処分するとともに、職員に対しては信用回復に向け規範意識の徹底を指示してまいります」とする、長谷部健区長のコメントが掲載された。