歓喜が爆発した。サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本代表が強豪ドイツとの初戦に臨んだ23日、東京渋谷のスポーツバー「Fields 渋谷」では多くのサポーターが集まり、エールを送った。昨年の東京五輪では、新型コロナウイルスが感染拡大した影響でパブリックビューイング(PV)のイベントは軒並み中止に。1年以上の時を経たこの日は感染対策を講じながら、各地でPVが開催された。

午後12時ごろ、店内のモニターから試合終了の笛が鳴り響くとサポーターからは大歓声が上がり「ニッポン」コールが沸き起こった。前半33分、PKでドイツに先制を許したときは一斉にため息がもれたが、後半30分に堂安が振り出しに戻し、後半38分の浅野の逆転弾には、大歓声が響き渡った。声援を送り続けたサポーターの熱気が届いた。顔を日の丸模様にペイントした20歳の男子大学生は「ドイツは強いですが、勝てると信じていました。最高です」と興奮冷め止まない様子。江戸川区から来た24歳の男性は、スポーツバーでの観戦が4年ぶりといい「みんなで応援できたのがうれしいですね」と喜んだ。

店主の田中守さんによると、店には約120人のサポーターが集まった。アルコール消毒の徹底のほかマスクをつけるよう促したり、感染対策に配慮した。近況のコロナ感染は第8波の到来が叫ばれているが、田中さんは「いや、ベスト8に期待したい」と話した。新型コロナ感染がなかった18年ロシア大会では約200人が集まり、一致団結で盛り上がった。この勝利でかつての熱気がよみがえり、田中さんは感無量の表情を見せた。

この日は東京ドームシティ内にある劇場「シアターGロッソ」で、日本サッカー協会(JFA)主催のPVが行われ、約150人が参加した。PVのイベントにはスポーツキャスターの永島昭浩氏や元日本代表のDF坪井慶介氏が出席し、熱い声援をサポートした。

渋谷のスクランブル交差点では若者がごった返し、お祭り騒ぎとなる中、警察が交通規制を行っていた。【沢田直人】