関航太郎天元(20)に伊田篤史九段(28)が挑戦している、囲碁の第48期天元戦挑戦手合第5局が15日、徳島市「徳島グランヴィリオホテル」で打たれた。対局は午後5時34分、282手までで黒番(先手)の関が半目勝ち。対戦成績3勝2敗で、天元初防衛を果たした。伊田のタイトル奪取はならなかった。

関は21歳18日での防衛となり、2020年(令2)の第68期王座戦を21歳25日で防衛した芝野虎丸現名人の記録を上回る史上最年少での7大タイトル(棋聖・名人・本因坊・王座・天元・碁聖・十段)防衛となった。タイトル2期獲得になり、16日付で九段に昇段する。

終盤までもつれる難解な勝負をモノにした関は、「難しい局面が多く、負けにしてもおかしくなかった」とホッとした表情を見せた。1勝2敗と、かど番に追い込まれてから連勝での逆転防衛。「手応えを感じる時間が多かった一方で、課題も多いと感じました。5局通して収穫の多いシリーズでした」と語った。

敗れた伊田は、「最後はハッキリ半目負け。ふだんなら投了している」と話した。終盤、読み抜けがあり、形勢を損ねた。「警戒していたつもりが、読み抜けてしまったか理解できない。残念」と盤面を見つめていた。