慶大名誉教授で経済学者の竹中平蔵氏(71)が22日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時)にゲスト出演した。パーソナリティー生島ヒロシ(71)を相手に「政治、経済のリーダーシップとは?」について話した。

小泉純一郎元首相(80)の経済指南役として知られ、小泉内閣では経済財政政策担当相、金融担当相、郵政民有化担当相、総務相。参議院などを務めて「聖域なき構造改革」を支えた。

防衛増税の問題について生島に聞かれると、竹中氏は「防衛費を増やさなければいけないことは重要なポイントで、認めなくてはいけない」と指摘。その上で「第一に考えるべきは“ペイズ・アズ・ユー・ゴー”。何かを増やすときは、何かを減らせということ。社会保障が今の予算の中で一番たくさん使っていて、100兆円を超える予算の中で30数兆円が社会保障。社会保障は重要だが、大改革を進めなければいけない。大企業の社長にも年金が払われている」と話した。改革を進める中で「今は霞が関、官僚の影響力が強くなっている。安倍(晋三)元総理が亡くなったことのインパクトが大きい。このことは、岸田(文雄)総理にとっても影響が大きい」と話した。

閣僚として支えた小泉元首相について「『同じことを何回も何回も、分かりやすく言って、初めて理解してくれるんだ』と、よくおっしゃってました」と振り返った。

さらに、前日に会食したことを明かして「最後に教わりました」と、小泉元首相から江戸時代末期の儒学者で昌平坂学問所の総長を務めた佐藤一斎(1777~1859年)の言葉について学んだ言葉を披露した。

「『少にして学べば、すなわち壮にしてなす 壮にして学べば、すなわち老いて衰えず 老いて学べば、すなわち死して朽ちず』。だから自分も学んでいるんだと。真の強さを教養としてお持ちですね」と話した。

岸田総理については「外交に関しては、ものすごい実行力がある。安倍内閣7年8カ月のうち4年も外相を務めていた。その実行力を内政にも広めてほしい」とエールを送った。

「生島が日本が存在感を見いだすには」と質問すると、竹中氏は「留学、アウェーで勝負することですね。世界の厳しさも分かるし、それに耐える精神的タフネスも実につくし。グローバルな英語力もつく。アウェーで勝負してほしい。そうした経験がないとリーダーになれない。若い人に(世界に)飛び出して波にもまれる人が増えなければ」と話した。

竹中氏は29日にも出演。日本語版を監訳した、世界10カ国で出版されている「ベーシック・インカム」について語る。