藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)が初防衛を目指して羽生善治九段(52)の挑戦を受ける、将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第1局(静岡県掛川市「掛川城二の丸茶室」)は9日午前9時に再開された。8日午後6時、後手の羽生が44手目を封じ、初日を終えていた。

8日午前9時からの2日制で始まった対局は、意表を突く一手損角換わりを羽生が採用した。同日午後は長考合戦のスローペース。わずか6手しか進まなかった。お互いに戦機をうかがう状況になっている。

藤井は現在タイトル戦11連勝、静岡県内でのタイトル戦は4戦4勝で、負けなしだ。ただし、昨年6月の棋聖戦と王位戦、同10月竜王戦と、シリーズ開幕戦は3回連続で落としている。

対する羽生はタイトル獲得通算99期と、将棋界トップ。今回大台の100期を目指す。王将戦は7年ぶり19回目の登場となる。実は掛川対局は3戦3敗。初めて行われた第59期で久保利明九段、渡辺明王将(当時)に挑んだ第63期、郷田真隆王将(同)に挑んだ第65期と黒星を喫している。嫌なデータを振り払いたい。

掛川対局は今期で14回連続となる。舞台となる掛川城は1600年の関ケ原の合戦前、「上杉征伐」のために現在の栃木県小山市にいた徳川家康の軍勢に対し、時の城主だった山内一豊が「城を明け渡すので自由に使ってくれ」と申し出て、家康の関ケ原での勝利に貢献した。この功績により、一豊は土佐(現高知県)の国主へと出世した。「出世城」として名高い。今回の対局で初戦を白星で飾って好発進するのは、史上最年少5冠か? 国民栄誉賞のレジェンド棋士か?

持ち時間は各8時間。初日同様、午前と午後におやつが出される。午後0時30分から1時間の昼食休憩もある。決着は9日夜の見込み。