ミドリムシを活用した製品づくりで知られるバイオテクノロジー企業「ユーグレナ」が開発した、ミドリムシ由来の油などを利用した次世代バイオ燃料を使った都営バスが運行されることになり、25日、東京都庁で出発式が行われた。

小池百合子都知事、ユーグレナの出雲充社長、SDGsの応援活動を続け、一部車両のラッピングにも登場しているハローキティが出席。小池氏は「気候変動対策は待ったなしで、エネルギー危機も目の前に迫っている。こういう危機は、新しいものに取り組むチャンスだ」と強調した。

都は昨年、バイオ燃料を使った屋形船を運行したほか、プロジェクションマッピングの電源にも使用するなど、使用の幅を広げている。小池氏は「昨年は(屋形船の)海で、今度は陸。都民の皆さんに都営バスに乗車いただき、バイオ燃料で走っているということを体感してほしい。地球環境に優しいエネルギーを定着させていくことは、大きな意義がある」と強調した。

バイオ燃料を使ったバスは、新宿や池袋、上野公園など都心部を走る7路線の、計58台に使われる。運行は、1月25日から1カ月程度。

一方、出雲氏は「バス58台に使うのは、60トンのバイオ燃料。こんなたくさんの量を使っていただけるのは初めての取り組みだ」とした上で「もし都営バスの燃料がバイオ燃料100%になれば、CO2はゼロになる。異次元のCO2削減が将来実現できるよう、テストもしている。大量生産に成功したあかつきには、大きく(事業を)広げていくことに取り組んでいきたい」と話した。

東京都とユーグレナ社は昨年10月31日付で、環境にやさしいバイオ燃料の活用推進と普及を目的にした協定を締結。今回はその一環の取り組みという。【中山知子】