宗教法人「幸福の科学」の創始者で総裁を務める大川隆法(おおかわ・りゅうほう)さんが2日、東京都内の病院で死去したことが、関係者への取材で分かった。66歳。死因は明らかにされていない。

複数の関係者によると、大川さんは2月28日に都内の自宅で倒れ、病院に搬送されたという。同日以降、大川さんの体調を懸念する情報が、水面下で飛び交っていた。「幸福の科学 綜合本部」(東京都品川区)は2日、日刊スポーツの取材に、大川さんに関して発表できることは「ございません」と回答した。

「幸福の科学」のホームページによると、大川氏は1956年(昭31)7月7日、徳島県生まれ。東大法学部を卒業後、商社勤務などを経て86年に「幸福の科学」を設立。91年3月に宗教法人格を取得した。

信者は現在、世界168カ国以上にいるといい、大川さんはこれまで国内外で3450回以上の説法を行い、3100冊以上の著書を執筆したとしている。

大川さんは、亡くなった著名人らが「もし生きていたら」という観点からその思いを代弁する「公開霊言」で知られ、公開霊言シリーズの著書は600書以上とされている。映画製作にも熱心で、自身が製作総指揮・原作・企画した実写、アニメ、ドキュメンタリー作品を多く生み出した。

09年5月には、幸福の科学を支持母体とした政治団体「幸福実現党」を立ち上げ、これまで国政選挙、地方選挙に多くの候補者を擁立してきた。09年衆院選には337人を擁立、大川さん自身も比例代表近畿ブロックに出馬したが、全員落選した。その後、現在までに多くの地方議員が生まれ、全国で活動している。

大川さんには前妻との間に、5人の子どもがいるとされる。現在の妻、紫央さんは幸福の科学の「総裁補佐」を務め、教団ホームページでも紹介されている。