1997年に自動車事故で亡くなったダイアナ元妃の弟チャールズ・スペンサー伯爵が、トランプ前米大統領が来月出版予定の新著「レターズ・トゥ・トランプ」で亡き姉について触れていることを非難した。トランプ氏は、元妃やエリザベス女王のほか、オバマ元大統領、ヒラリー・クリントン氏、金正恩やロシアのプーチン大統領ら世界のリーダーや著名人から贈られた個人的な手紙をまとめた著書を出版予定で、現在そのプロモーション活動を行っている。

宣伝インタビューの中でトランプ氏は、「私は、彼ら(著書の中に掲載されている手紙の送り主)全員を知っていた。そして全員が私の尻にキスをした。今、私の尻にキスをするのはその半分」といかに自身の人脈が豊富であったか語り、誰もが自分に媚びを売っていたと自慢した。

これに対し、スペンサー伯爵は、「亡き姉がドナルド・トランプの尻にキスしたと主張しているのを聞き、驚いた。姉が彼について私に話したのは1度だけで、彼女の名前を利用してニューヨークで不動産を売ろうとしているという話だった。明らかに切れ痔より劣ると彼のことを見ていた」とツイート。トランプ氏の発言に不快感を示した。元妃が送った手紙の内容は明らかにされていないが、王室コメンテーターによると元妃はトランプ氏を軽蔑していたように見えたことから、恥ずかしい内容が含まれている可能性はあると話している。

トランプ氏は、妃が亡くなった後に応じた人気ラジオ司会者ハワード・スターンとのインタビューで、ダイアナ元妃と交際できたかもしれない可能性について問われ、「可能性はあった」と答えている。一方、元妃がチャールズ国王(当時の皇太子)と離婚後にトランプ氏が英ロンドンの自宅にバラの花束を贈るなどアプローチしていたことも15年に出版された元妃の友人ジャーナリストが書いた著書の中で明かされており、元妃がトランプ氏からストーカーまがいのことをされていたことも分かっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)