第20回統一地方選のスタートとなる9道府県知事選が23日、告示された。大阪府知事選には再選を目指す政治団体・大阪維新の会の現職吉村洋文氏(47)が立候補し、大阪・なんばで第一声を上げた。「過去の二重行政はまっぴらごめんだ。維新は市と府の接着剤となり、府市一体になって大阪を成長させていく」。前回19年続く大阪市長選との「ダブル選」での必勝を誓った。

知事選は吉村氏に対し、新人5人が挑む「維新対非維新」の構図となる。カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の大阪誘致の是非が争点となるが、吉村氏は「大阪の成長のためにはIRは必要だ」と強調した。

政治団体「アップデートおおさか」が支援する無所属新人の法学者谷口真由美氏(48)はJR大阪駅近くで第一声を上げた。ヒョウ柄のコート、スニーカーにもヒョウ柄が入るコテコテの“大阪のおばちゃん”は「大阪で生きづらい、しんどいと思っている人。大半はあなたのせいじゃない。しんどさを自己責任だと言う政治はもう嫌やねん」と声を張り上げた。

谷口氏は大阪市出身で、コメンテーターとしてテレビ番組などに出演。12年にはフェイスブック(FB)上のグループ「全日本おばちゃん党」を“結党”し、代表代行を務めた。19年に“解散”したが、シャレと愛を込めた大阪の「おばちゃん」目線で「オッサン」社会にツッコミを入れ続けてきた。父親は近鉄ラグビー部のコーチを務めた。IR誘致について「検証して問い直そう」と訴えた。

共産党が推薦する無所属新人の元参院議員辰巳孝太郎氏(46)は「走れ、コータロー。」のキャッチフレーズとともにJR天王寺駅周辺で「カジノを造らないことが一番のギャンブル依存症対策だ」と主張した。府知事選には、他に3人が届け出た。「維新政治」を問う17日間の論戦がスタートした。【松浦隆司】

◆第20回統一地方選 23日告示は北海道、神奈川、福井、大阪、奈良、鳥取、島根、徳島、大分の9知事選。26日には6政令市長選、31日には41道府県議選・17政令市議選が告示される。北海道、大阪、奈良、大分の4道府県は、自民党や自民幹部が支援する候補と野党系候補が対決。奈良、徳島両県では自民支持層が割れる保守分裂選挙となる。いずれも投開票は4月9日。統一選の後半戦は、4月23日に一般市長選、市議選、東京特別区の区長選、区議選、町村長選、町村議選が投開票される。23日には衆院の千葉5区、和歌山1区、山口2、4区、参院大分選挙区の衆参5補欠選挙も投開票される。