藤井聡太王位(竜王・叡王・棋王・王将・棋聖=20)への挑戦者を決める、将棋の伊藤園お~いお茶杯第64期王位戦挑戦者決定戦羽生善治九段(52)対佐々木大地七段(27)戦が18日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。対局は先手の佐々木が勝ち、王位戦初挑戦権を獲得した。6月に開幕する棋聖戦5番勝負に次いで、連続でのタイトル初挑戦となる。

相掛かりから羽生の反撃を封じて押し切った。王位戦は2018年(平30)の第59期から毎年リーグ入り。「目標にしていたので、今回挑戦できてうれしいです」と話した。

棋聖、王位の連続挑戦は3年前の藤井と同じ。棋聖戦で初の大舞台への切符を得た勢いを持続した。今期の6人総当たりの王位戦挑戦者決定リーグ戦白組を5戦全勝で勝ち上がった。同紅組4勝1敗で勝ち上がった羽生との決戦を制した。

師匠で同じ長崎県出身の深浦康市九段は2007年(平19)の第48期、当時の羽生王位に4勝3敗で初タイトルを獲得し、王位戦を3連覇した。その師匠から、タイトル戦登場のお祝いにと棋聖挑戦権獲得直後に「はかま」をプレゼントされた。深浦の師匠、故花村元司九段から伝わる一門の伝統だ。さらに、タイトル戦で勝率のいい和服も贈呈してもらった。

これで本年度は9勝1敗と絶好調。「27歳、真夏の連続挑戦」は、タイトル戦13連勝中の藤井との最長12番勝負になる。「1日制の棋聖戦と(2日制の王位戦で)は勝手が違うと思う。体調管理をしっかりして、いろいろ準備して自分の将棋が指せるように頑張りたいです」と語った。7番勝負は7月7、8日、愛知県豊田市「豊田市能楽堂」で開幕する。【赤塚辰浩】