将棋の羽生善治九段(52)が15日、大阪市「関西将棋会館」で行われた第82期順位戦B級1組1回戦で、大橋貴洸七段(30)と対戦した。
羽生は9日に日本将棋連盟の会長に就任して以来、初めての対局として関西に乗り込んだ。先手後手は事前に決まっており、午前10時から大橋の先手で始まった。角換わりとなった初顔合わせの対局は、二転三転する激戦の末、最後に勝ち筋を発見した羽生が制して、A級復帰へ幸先の良いスタートを切った。
会長就任後、初対局での白星にもいつものように淡々と振り返っていた。「前例のある形で、それに沿って指していました。2~3筋の圧力がきつい形で、まとめにくくなったと思っていました」。途中で玉が早逃げして検討陣をうならせる。「ちょっと悪かったし、粘るとしたらこの順でした。駒損で自信がなかった。最後に後手4八銀を見つけて、やっと勝ちになったと思いました」。
羽生は前々期、名人9期も含めて29年間在籍した最上級のA級から1ランク下のB級1組に陥落した。前期は6勝6敗。今期、会長との「二刀流」でA級復帰を目指す。「いいスタートが切れて良かったです。長丁場なのでこれからだと思います。上に携わる時間と、対局している時間は随分違うなと思いました。双方のバランスがこれからの課題」とも話した。
B級1組は13人による総当たり戦。成績上位の2人はA級に昇級できる。下位3人は1クラス下のB級2組に落ちる。大橋は前期B級2組からの昇級組。藤井聡太名人(竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖=20)に4勝2敗と勝ち越している「藤井キラー」だ。それを、国民栄誉賞棋士が振り切った。

