東京・銀座の百貨店「松屋銀座」では7月5日から、地下2階冷凍食品売り場「GINZA FROZEN GOURMET(ギンザフローズングルメ)」で冷凍食品の新商品20種類の販売を始める。その発表会が16日、都内で行われた。

今回新たに投入されるのは14ブランド20品。昨年8月の第1弾で主軸商品となった銀座の名店自慢のハンバーグ、ロールキャベツなどを冷凍食品とした「銀ぶらグルメ」に加え、「浅草グルメ」を第2弾として出してきた。

松屋が銀座と浅草に2店舗出していることから、「お膝元」の地域を重視。吉原名物として明治時代から変わらぬ人気を誇る「桜なべ中江」の「桜なべ」(1人前4320円)、うなぎの専門店「駒形前川」のうなぎ蒲焼(かばやき、同5200円)、観音裏のカレー専門店「スパイス スペース ウガヤ」のキーマカレー(2人前2700円)が初めて百貨店に登場する。

また、昨年初めて販売した際、高価格帯の商品の中に「和食はないのか」との声が多かった。これを受けて品ぞろえを強化した。代表例は創業1716年(享保元)、京都を代表する老舗高級料亭「京懐石 美濃吉本店 竹茂楼」の「鱧(ハモ)鍋 すっぽん出汁仕立て」(2人前1万800円)や、「鱧寿司」「鱧茶漬け」(ともに同6480円)だろう。

松屋銀座広報によると、販売開始から1年足らずにもかかわらず、冷凍食品は目標値の1・5倍以上の売り上げを記録しており、3000円前後の価格帯を中心に人気だという。

食材を良い味に再現しているという品質の高さだけではなく、コロナが落ち着きをみせても「巣ごもり」「ギフト需要」が依然として固定票となり、安定した売り上げを継続させていると、好調の要因を分析している。オンライン販売も好調で、遠く離れた両親や友人などへの贈答用にもなっている。売り場での取り扱いは354円のパンから1万1880円と最高価格のローストビーフ、牛タンシチューまで、55ブランド、350種類となる。第2弾を投入することで、年末商戦に向けても売り上げの加速が進みそうだ。

会場では、来月中旬から都内にある「明治屋ストアー」の広尾と玉川に卸売り販売を初めて開始することも発表された。外部に販路を拡充することで、来年2月までの1年間で、冷凍食品全体で1億円の売り上げを目標としている。【赤塚辰浩】