「古都奈良の文化財」世界遺産登録25周年記念事業の記者発表会が22日、都内で行われた。23年秋から24年春までの約半年、奈良市内で開催される。
目玉となるのは、市内にある東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺の6つの社寺を巡る「六社寺共通拝観券」。史上初の試みだ。1冊5000円で、1社寺につき1回利用可能。この日、奈良市内の観光案内所や東京・新橋の奈良県ブランドショップ「奈良まほろば館」などで限定2万枚、発売され始めた。有効期間は来年3月31日まで。期間限定の特別御朱印が授与(別途、御朱印料が必要)されるほか、拝観御礼品も手渡される。
この構想、710年の平城京遷都から1300年にあたる2010年(平22)にもあった。その時は足並みがそろわなかった。今回は行動制限の緩和、2年後の「大阪・関西万博」開催、世界遺産登録25周年が千載一遇のチャンスととらえて、ようやく実現した。
古都としての観光素材がそろう奈良市は今年7月、「Old History,New Discovery」というスローガンを初めて掲げた。昨年の都道府県魅力度ランキングは北海道、京都府、沖縄県、東京都、大阪府、神奈川県、福岡県に次いで8位。とはいえ、京都や大阪で宿泊するための「日帰り客の多さ」、修学旅行で行って以来という「低いリピート率」が課題とされていた。
会見に出席した仲川げん奈良市長(47)は、「スローガンでイメージをアップデートさせた。今後は奈良を宿泊拠点にして、京都や大阪へと足を延ばしてもらうようにしたい。1300年ほど前、奈良は世界のさまざまな文化を柔軟に受け入れ、自らの文化を生み出していった。そんな先人たちの思いや歴史のすばらしさ、魅力も新たにお伝えしたい」と話していた。

