藤井聡太王将(竜王・名人・王位・叡王・棋王・棋聖=21)への挑戦者を決める、将棋の「第73期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ戦」開幕局、羽生善治九段(52)対近藤誠也七段(27)戦が20日、都内で行われた。対局は先手の羽生が双方1分将棋の秒読みに追われる激戦を制して、初戦を白星で飾った。2年連続の挑戦権獲得に向け、好スタートを切った。

相掛かりから形勢が二転三転する終盤、近藤の猛攻の前に羽生は開き直っていた。「相当怖かった。詰まされてもしょうがないと思って指していました。詰まないのは幸運でした」と振り返った。途中までは経験のある形だったが、「まとめ方がよく分からなかった」と言う。どうにか振り切って勝利をつかんだ。「いいスタートが切れました。これを機に頑張っていきたいと思います」とした。

前期はリーグ6戦全勝で、藤井への挑戦権を得た。注目された頂上対決の7番勝負は2勝4敗に終わったが、見せ場たっぷりで健在ぶりを示した。

今年6月には日本将棋連盟会長に就任した。棋士と会長の「二刀流」は厳しいかもしれない。今期も挑戦権を獲得すれば1986年(昭61)、故大山康晴十五世名人が中原誠名人(当時)に挑んだ第44期名人戦以来の現役会長のタイトル戦登場となる。

5月には王位戦で挑戦者決定戦に進出したほか、王座戦と竜王戦の挑戦者決定トーナメントでは準決勝まで勝ち進んだ。「忙しい方がメリハリをつけながら活動できる」と会長就任時に話した通り、棋士との両立を図っている。

今期の王将リーグはこの2人のほか、前期残留組の豊島将之九段(33)と永瀬拓矢王座(31)、予選から勝ち上がった渡辺明九段(39)と菅井竜也八段(31)のタイトル獲得経験者と、今期A級初昇級の佐々木勇気八段(29)の3人が加わる。7人総当たり戦で年内に挑戦者を決める。成績最上位者が、来年早々から始まる藤井王将とのタイトル戦7番勝負に出場する。

現在タイトル獲得通算99期。大台の通算100期獲得が注目される。「強豪ばかりですし、1戦1戦しっかりやっていくしかないと思います」。会長自ら先頭に立って、頂点を目指す。