自民党最大派閥の安倍派は21日、党本部で開いた新たな意思決定機関の常任幹事会で、新体制移行後に同幹事会のメンバーから外れている下村博文元政調会長を、新設ポストの「顧問」とする人事を決定した。山谷えり子元国家公安委員長も顧問に就けた。会合後の取材に、塩谷立座長が明らかにした。
下村氏は安倍晋三元首相に近く、安倍氏の死去後は塩谷立座長とともに会長代理として派閥運営に携わる立場だったが、新体制では15人いる常任幹事会メンバーに入らなかった。今も派閥に影響力を持つ森喜朗元首相の意向が影響したとの見方もあり、新体制での処遇が注目されていた。
下村氏は新体制が決まった先月31日、「今はまず清和研の仲間を支え、縁の下の力持ちとして貢献したい」などと述べていた。
安倍派では新会長が決まる見通しが立たない中で、新体制移行後の今月13日に土井亨・元国交副大臣が退会届を提出。新体制への不満が背景にあるとみられ、20日に土井氏の退会が正式に発表された。それにより、派閥の所属人数が大台の100人を割って99人となるなど混乱している。