元テレビ朝日社員の玉川徹氏は15日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、会場建設費の増額や350億円をかけて建設される「リング」などに批判が出ている大阪・関西万博について「いろんなことを考えて、やめてもいいんじゃないか」と指摘した。

「公共事業は、1回始まると無駄だと分かっていてもやめられないというのはよくあるが、やめた方が、けがが少ないということもある」と指摘。万博との位置づけは異なるが、かつて1996年3月から東京都内で開催が予定されていた「世界都市博覧会」に触れ、博覧会中止を公約に掲げて初当選した当時の青島幸男都知事が、実際に中止したことに言及。「あれは地方博覧会だったが、やめて(行うことで)かかる費用より少なくすんでいる。あれはお台場の開発が絡んでいたが、今回もIRが絡んでいるわけでしょ?IRだとお金がかかるが、これ(万博)で基盤整備すればみたいな、ところもきっとあるのかなと思う」「そういうことも踏まえいろんなことを考えて、やめてもいいんじゃないか。むしろ、やめたら正確にどれだけお金がかかるのかを知りたい」と話した。

会場建設費をめぐっては、誘致段階の2018年で1250億円と試算されながら、人件費の高騰などで今年10月には最大2350億円と、当初の倍近くにはね上がっている。元AERA編集長でジャーナリスト浜田敬子氏は「本当にこの額で収まるのかということは、懸念される。収めるのなら何を削るということをそろそろ議論していかなくてはならないが、全くされていないのでは」と指摘。「チケット収入でまかなえるのか。それをどれくらいあてこんでいて、きちんと回収できるのか、赤字の見込みは出るのかまで含めて、説明が全然されていない」とも苦言を述べた。

「リディラバ」代表の安部敏樹氏も「やめられるなら、今からでもやめていいのではないか」とした上で「本当にやめようと思うと、正しく民意として、なしなんじゃないかというのが出ないと、政治的にもやめられないのだと思う」と分析。「(開催前の)春の選挙で争点として出ていて、その上で違うのではないかということが民意として反映されていたらまた別と思うが、そうじゃない限りではやりきるしかない、となると、いかにコストを抑えるか、効果の方を大きくするかという両方のことを具体化して欲しい」と注文した。