東京都の小池百合子知事は15日の定例会見で、自身にとっての「今年の漢字」を問われ「酷」と「翔」の2文字を挙げた。

「1文字(を決めるのは)はなかなか難しい」という小池氏はまず、持参した紙にマジックで「酷」の文字を書いて理由を説明。「今年の夏は、本当に暑く、『暑』という文字かと思ったが、その前に『酷暑』という言葉があった」とした上で「(ひどく)暑かったということもあるが、今のウクライナ情勢、パレスチナ情勢は、私はひどいと思う。それなりに長く生きてきているが、こんな国際情勢は本当に先が読めない。地球もそうだし、民主主義や平和がひどく、脅かされている。ひどいと思う」と述べ、解決への道が見えないまま厳しさを増す国際情勢への懸念を口にしながら、厳しい表情で語った。

一方で「これが、ネガティブ情報から見たもの」と述べ「そうは言っても、これからはもう少し明るくいきたい。ポジティブ(な観点で)は、こっちじゃないですかね」と述べ、2枚目の紙に「翔」の文字を揮毫(きごう)して、笑顔でお披露目した。

「今日は『デコピン』が最大のニュースかもしれないけれど」と、この日ドジャースへの入団会見を行った大谷翔平投手の愛犬の名前に、笑いながら触れた小池氏は「羽ばたくくらい、ポジティブにいきたいですよね。この両方だと思います」と語り、2文字になってしまったことで「お好きな方をそれぞれの観点でお使いください」と、報道陣に呼びかける場面もあった。

2文字とした背景については「ひどい部分(酷)をカバーするには、こっち(翔)の方でどう、ポジティブに対処するか。課題とソリューション(解決)の両方(が必要)ではないか」とも述べ、「今年の漢字」を通じて小池流で提言した。