市議2人が市長選に出馬したことに伴う東京都武蔵野市の市議補選(欠員2)は24日、投開票され、立憲民主党公認で菅直人元首相(77)の長男、菅源太郎氏(51)が初当選した。6人が出馬し、源太郎氏は2番目の票数を獲得。過去に衆院選に2度出馬し落選しており、今回、初めて議員の立場となった。

武蔵野市は、先月、次期衆院選不出馬を表明した菅元首相の地元、東京18区の一部。そのため「世襲」批判も受けながらの選挙戦となった。

源太郎氏は「『顔も声も(父に)似ているが、どういう関係か』と言われる。名前は全然、浸透していない。あちら(父)は有名だが、私は無名の新人だ」と主張して、世襲批判をかわした。ただ告示日には菅氏が応援のマイクを握り、最終日も菅氏は聴衆の1人として、息子の演説を見守った。

最終日の街頭演説で源太郎氏は「不登校になったこともあり、私の人生は紆余(うよ)曲折だった」と、これまでの歩みを振り返った。高校を中退後、10代のころに市民活動をスタート。「(父が国会議員で)政治は身近にあった」とも述べた。母伸子さんの出身地でもある岡山で2003年と2005年の2度、民主党公認で衆院岡山1区に出馬し国政を目指したが、いずれも自民党の逢沢一郎衆院議員に敗れた。2013年からは父の秘書を務めていた。

源太郎氏は選挙中「武蔵野市では市民参加、市民自治を続けてきた歩みがある。市民自治を途絶えさせてしまえば『住みたい街』でもなくなる。前に進めるために課題を解決しなければならず、そのことをしっかり訴え、問題意識を持ち行動していきたい」などと訴えた。

自民党推薦の新人で会社経営者の山崎たかし氏(51)が、トップの得票で当選した。【中山知子】