世界中で人気のサッカー漫画「キャプテン翼」の作者高橋陽一さん(63)が5日、自身のX(旧ツイッター)を更新。「キャプテン翼」の最終回について連続投稿で言及した。

「『キャプテン翼』の最終回までの“物語”を残す決断をしました。今、頭の中には『キャプテン翼』の一応の目安の最終回までの構想があります。現在、『キャプテン翼マガジン』で連載中のオリンピック編『ライジングサン』の、その先のシリーズまで含めてです。ですが計算すると、この構想をすべて漫画化するにはこの先40年以上かかってしまうかもしれません。それを実現させるのは現実的ではないと感じた一方、たとえばネーム(漫画制作の元となる絵コンテのようなもの)などの形で“物語”を残すことだけに集中すればできるかもしれない、と思いつきました」と切り出した。

高橋氏は現在63歳。体調面については「これまで、身体は大きな病気をすることもなく、現在も健康状態は維持できていると思います。ただ年齢も60を超え、『週刊少年ジャンプ』や『週刊ヤングジャンプ』で週刊連載をしていた頃と比べると、老眼やめまいなどに苛まれ、だいぶ身体にガタがきていることもたしかです」と打ち明けた。

執筆環境の変化についても言及した。「そういった体力の衰えと、昨今のデジタル化の波による執筆環境の変化などにより、以前より漫画の執筆ペースは落ちてきました。さらに2020年から猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大により、スタッフ体制の維持も困難になりました」。

野球漫画の大家、故水島新司さんについても語った。「そして僕が漫画家を目指すきっかけであり、一番の憧れであり、目標だった水島新司先生の訃報が飛び込んできたことも考えさせられる契機になりました」と続けた。

そして「簡単にできる決断ではありませんでしたし、いつも『キャプテン翼』を楽しく読んでくださっている読者の皆さんには残念で寂しい思いをさせてしまうかもしれませんが、この決断を理解していただければと思います」とつづった。

最終回の詳細については「ここではすべて伝えきれない正直な思い、決断に至った経緯などの詳細は1月5日発売の『キャプテン翼マガジンvol.19』に綴らせてもらいました。現在同誌で連載中の『キャプテン翼ライジングサン THE FINAL』、そして『キャプテン翼 MEMORIES4 最強!!明和FC伝説』は、4月初旬発売予定の『キャプテン翼マガジンvol.20』の話をもって最終話とさせていただきます。そして『キャプテン翼マガジン』も、このvol.20をもって最終号となります」とした。

最後に「今はまず、連載の最終回までの原稿を全力で描き切ろうと思っています。そして、どうやってこれから先の『キャプテン翼』の物語を皆さんにお届けできるのか、そのことを集英社の編集の皆さんとも相談し、最終号となる次号『キャプテン翼マガジン』vol.20に掲載される最終回の後で、皆さんにお伝えできたらと思っております。最終号『キャプテン翼マガジン』vol.20は4月初旬発売予定です。最後までおつきあいのほど、よろしくお願いします」と締めくくった。

高橋氏は「キャプテン翼」が世界中で愛されてることを意識してか、その投稿後、同様の内容を英語でも投稿した。