東京都の小池百合子知事は29日の定例会見で、自身が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」の国政進出を目指して設立した「ファーストの会」が、柿沢未途氏（自民党離党）の辞職に伴う衆院東京15区補選（4月16日告示、28日投開票）に作家の乙武洋匡氏（47）を擁立する方向で最終調整していることをめぐり、小池氏自身で乙武氏に出馬を打診したことを明かした。

乙武氏について「これまでもご自身の経験を生かし、バリアフリー、インクルーシブ（包括的の意味）なさまざまな活動をされている。わが国が抱えている構造的な課題、年齢、性別、障がいの有無に関係なく、だれもが安心して暮らせるようにするのが重要。（乙武氏は）これ以上ない発信ができるという意味で、ぴったりではないか」と評価。「インクルーシブな社会を実現、体現する人物であることから、お声がけをした」と、自ら打診にも関わったと説明した。

「日本のゲームチェンジを担っていくのに、ふさわしい方と思っている」と述べ、「しっかり応援をしたい」と、選挙戦の応援に入る考えも明かした。

一方、乙武氏が過去の国政挑戦の際、小池氏の政策に批判的な指摘をしていたことを記者に問われると「確認している」としながらも、東京都の教育委員を務めたこともある乙武氏とは、少子化や教育問題をめぐり意見交換や情報交換をしてきたと述べた。

また乙武氏が2016年参院選に自民党から立候補を準備していながら、女性問題を週刊誌に報じられ出馬を断念したことについても問われ「私も、その点は（本人に）確認している」と述べた。

その上で「2度と、そういう過ちを起こさないと（乙武氏に言われた）。（スキャンダル）以来、誠実な活動を続けていることを確認した」と述べ、スキャンダルの有無について乙武氏に確認し、補選出馬には問題ないと判断したことを明かした。