昨年7月の東京都知事選に出馬し、全体5位の約15万票を集めたAIエンジニア安野貴博氏(34)は8日、東京都内で記者会見し、今夏の参院選比例代表に立候補すると表明した。新党「チームみらい」を立ち上げて自身が代表に就任し、選挙区に7人程度、比例代表に自身を含め3人の計10人以上を擁立すると表明。「永田町を変えるには、永田町に入るしかない」と訴えた。

「テクノロジーで、だれも取り残さない日本をつくる」ことを目指すとし、「今回も(都知事選同様)組織票や後ろ盾がまったくない中での選挙戦、地盤も看板もかばんもない中での挑戦になる」としつつ、複数議席の獲得と国政政党化を目指すと意欲を示した。

昨年の都知事選後、「デジタル民主主義2030」を掲げて自治体や政党とのプロジェクトを進めてきたが「外から何かを変えることの困難さ」に直面。「永田町では、議員でないと聞いてもらえない話がたくさんあるのではないかと感じた。政治や行政に何かテクノロジーを持ち込もうとした場合にも、自ら議員となることが必要不可欠と認識した」ことが、出馬の1つの理由だと述べた。

衆院選でなく、なぜ参院選なのかとの問いには「参議院は6年間任期があり、いつ解散するか分からない衆議院とは違う。選挙活動ではなく政策の中身や政治的活動に全力を投下でき、我々がやりたいことと(システムが)非常に合致している」と説明。参院選を経て国政政党の要件を満たせれば、交付される政党交付金を用いて「永田町エンジニアチーム」を立ち上げるとし「自らの選挙ではなく政治のDXを進めるための活動に使う」と主張。「国会議員にAIエンジニアはまだいない。人数がゼロから1になることは(政治のDX化へ)大きく違う」と強調した。

自身が訴えてきた、多様な声をAIで解析する「ブロードリスニング」と呼ばれるコンセプトは、東京都や国政政党なども採用するに至った。参院選の選挙公約(マニフェスト)については「全国のみなさんの声を聞きながら一緒につくりあげたい」と述べた。

選挙区に擁立する候補者について、どの選挙区を選ぶのかについては、支持層を分析しながら調整しているとした上で、昨年の都知事選で戦った石丸伸二・前広島県安芸高田市長の「再生の道」も候補者を擁立した大激戦の東京選挙区も、「十分、検討すべき選挙区の1つ」と述べた。擁立予定の人材は「エンジニアもいるが、基本的には社会の第一線で活躍されている方」と明かし、今後発表していくという。今後の選挙資金は、「自己資金と寄付」でまかなうと述べた。